体温計が42度という高熱を示した日、私の記憶はそこで一時的に途絶えた。一命は取り留めたものの、その後、私を襲ったのは「記憶力減退」という深刻な後遺症だった。過去を取り戻すための挑戦は、想像以上に困難な道のりだった。あの高熱の後、まず気がついたのは、最近の出来事を思い出せないということだった。数日前食べた食事の内容や、友人との会話の内容が思い出せない。次第に、数週間前、数ヶ月前の記憶も曖昧になっていった。自分の名前や家族の顔は認識できるものの、具体的なエピソード記憶が抜け落ちていくような感覚だった。特に困ったのは、仕事や日常生活での支障だ。顧客との打ち合わせ内容を忘れてしまったり、重要な書類の場所が分からなくなったりすることが頻繁に起こった。家に帰っても、何をするつもりだったのか忘れてしまい、途方に暮れることもあった。この記憶力減退は、私の自己肯定感を著しく低下させた。自分はもう以前のような人間ではないと強く感じ、絶望感に苛まれた。過去の思い出が失われていく感覚は、自分自身の存在が消え去っていくような恐怖をもたらした。友人や家族との会話で、私が覚えていないことを彼らが語るたびに、強い疎外感を感じた。医師からは、高熱による脳へのダメージが原因で、一時的または慢性的な記憶障害が起こることがあると説明を受けた。特に、脳の海馬という記憶を司る部位に影響が出やすいと言われた。この後遺症は、私にとって大きな試練となった。しかし、私はこの記憶力減退と向き合い、過去を取り戻すための挑戦をすることを決意した。あの高熱から数年が経ち、私はこの記憶力減退という後遺症とどのように向き合い、過去を取り戻すための挑戦をしてきたのだろうか。まず、最も重要だったのは、徹底した「記憶の記録」だ。日記をつけることを日課にし、その日あった出来事、感じたこと、考えたことを詳細に記録するようにした。また、スマートフォンのメモ機能や録音機能も積極的に活用し、重要な情報は必ず記録に残すようにした。特に、写真や動画は、記憶を呼び起こす上で非常に効果的だった。過去の写真を頻繁に見返し、その時の状況や感情を思い出す努力をした。次に、脳のリハビリテーションを積極的に行った。
高熱42度後の記憶力減退?過去を取り戻すための挑戦